LT値 (乳酸性作業閾値)とはVol.1~ランニングを科学する④

こんにちわ。今回はマラソンのパフォーマンスを決定づける3つの要素のうち、乳酸性作業閾値(LT値)のお話です。乳酸性作業閾値(LT値)とは血液中の乳酸濃度が急に上昇し始めるポイントの数値です。

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まず、乳酸とは「疲労物質」というわけではなく、運動中に糖が分解してできたものです。乳酸ができるということは、運動のエネルギー源として「脂肪」ではなく、「糖」が使われているということ。糖は体内に貯蔵できる量が限られているため、できるだけ使いたくありません。

段階的にランニングのスピードを上げながら血液中の乳酸濃度を計測していくと、ある運動強度を境にして、強度に対する乳酸濃度が急激に上がるポイントが出現するようです。

理論上は乳酸性作業閾値(LT)よりも速いペースで走ることで、糖が使われやすい状態となります。逆に乳酸性作業閾値(LT)よりも遅いペースで走ることは、理論上、脂肪をエネルギーとして使いやすい状態ということになります。

個人ごとにみた場合、この速度と乳酸カーブの位置関係は異なり、速いランナーほどこのカーブが右側に位置します(図の赤線)。同様に個人内でみた場合、トレーニングをするとこのカーブは右へ移行していきます(図の青線→赤線へ)。

次回は乳酸性作業閾値(LTが向上するトレーニング方法についてお話します。

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