炭水化物(糖質)とカーボローディング~ランナーの栄養学①

tetsujin
tetsujin

マイド、tetsujinデス。ランナーをはじめスポーツをする方々にとって、食べることもパフォーマンスをアップさせる大切な要素ですね。

今回から数回にわけて「ランナーの栄養学」について投稿します。まず第一回目は「炭水化物(糖質)」についてです。カーボローディング、何が有効かな?




1.糖質の消化吸収について

食べ物として口から取り入れた炭水化物は、体内の消化酵素で消化される「糖質」と、消化されない「食物繊維」に分類されます。エネルギー源の主力となるのが「糖質」です。糖質は小腸で消化酵素により消化され、ブドウ糖に分解&吸収されて、血液に乗って各細胞に運ばれます。

「でんぷん」のような糖質は消化に時間がかかり、「ブドウ糖」のような糖質は早く消化吸収されます。

2.糖質がエネルギーになる過程

糖質は血液中にブドウ糖として一定量、存在しますが、大部分は肝臓と筋肉にグリコーゲンとして貯蔵されます。グリコーゲンはエネルギーとして使用するときにブドウ糖に分解され、水分と二酸化炭素が排出されます。



3.脳と身体を動かす糖質

糖質のエネルギー量は4㌔カロリー/gで、脂質に比べて素早く利用されるのが特徴です。マラソンで30㌔過ぎに失速してしまうのは、体内の糖質がなくなってしまう事が原因です。

また、糖質は脳のエネルギー源として重要な働きがあります。脂質やたんぱく質が脳を動かすために利用されることはなく、糖質のみが持つ重要な働きです。マラソンレースで「前半は眠るように走れ」ということを聞いたことがあるかと思います。これは、脳を使わないことで、脳での糖質を使用するのを抑えるということを意味します。

4.糖質タンクには限界がある

肝臓と筋肉に貯蔵されているグリコーゲンは合計、約1600㌔カロリーまでしかストックされません。

筋肉グリコーゲン :300g(1200Kcal)
肝臓グリコーゲン :100g(400Kcal)
血液中グリコーゲン:5g(20Kcal)

フルマラソンを1回走るには(体重が50㎏として)約2000㌔カロリーを消費するので糖質が供給するエネルギー源だけではガス欠になります。

ガス欠にならないためには、糖質だけでなく脂質を使用できる身体作りが必要となってくるわけですね。



5.炭水化物(糖質)を多く含む食品

炭水化物(糖質)を多く含む食品は以下のとおりです。レースの前2~3日から、いつもよりも多めに炭水化物を摂取すること(カーボローディング)がおススメです。ただし経験上、カーボローディングはレース前日の夜までが良いように思います。

カーボローディングの食事は「スパゲティー」、おやつに「あんぱん」が良さそうですね。

食品名 目安量(g) 糖質(g) エネルギー量(Kcal)
スパゲティー 一人分(100) 72.2 378
あんぱん 1個(100) 50.2 280
うどん 1玉(250) 54.0 263
ごはん 茶碗1杯(150) 55.7 252
どらやき 1個(80) 47.1 227
カステラ 一切れ(50) 31.6 160
食パン 6枚切の1枚(60) 28.0 158
コーンフレーク 一人分(40) 33.4 152
もち 一切れ(50) 25.2 118
じゃがいも 1個(100) 17.6 76