ランナーをはじめスポーツをする方々にとって、食べることもパフォーマンスをアップさせる大切な要素ですね。
今回は「ミネラル」についてです。ランナーにとって、特に重要なミネラルは何なのかを解説いたします。
1.ミネラルの重要な働きとは
自然界には100以上の元素が存在しますが、私達の身体の96%は酸素、炭素、水素、窒素の4つで構成されています。残りの4%にあたる元素のことを「ミネラル」と呼んでいます。糖質、脂質、たんぱく質のような3大栄養素に比べて、必要な量こそ微量ですが、身体づくりや体調を維持するうえで大切な栄養素なのです。
2.ミネラルの中でもランナーには特に重要なもの
人間にとって不可欠なミネラルは16種類です。ランナーにとって特に重要な役割をしているのが「カルシウム」と「鉄」です。この二つはふだんの食事から摂取するのが難しいと言われています。不足しやすいことに加えて、体内への吸収率が良くなく、また、汗と一緒に失われてしまうので意識して摂取したいものです。
2-1.カルシウム
体内のカルシウムの99%が骨や歯の形成に使われています。丈夫な骨を維持し、疲労骨折などの怪我を防止するためにも必要不可欠な栄養素です。
残りの1%は筋肉の収縮や神経伝達の調整に使われています。体内のカルシウムが不足すると足の痙攣を起こしやすくなります。発汗の多いランナーは、とくに意識的に摂取したほうがよさそうです。
健康の維持・増進を目的として、1日に摂取したいカルシウムの量は、
・成人男性で650~800mg
・成人女性で650mg
と言われています(「日本人の食事摂取基準2015年」)。
アスリートの推奨摂取量は、1,200~2,000mgです。
食品名 | 目安量 | カルシウム量(mg) |
---|---|---|
牛乳 | コップ1杯(200ml) | 220 |
桜エビ | 10g | 200 |
ヨーグルト | 1個(150g) | 180 |
チーズ | 6P1個 | 176 |
切干大根 | 40g | 112 |
しらす干し | 大さじ2(10g) | 21 |
2-2.鉄分
鉄分は肝臓や血液中に多く存在し、持久力を支える栄養素として重要な働きをしています。鉄はたんぱく質と結合してヘモグロビンの材料となります。鉄分が不足すると酸素の運搬がスムーズにできなくなります。長距離を走り込む時期にはとくに、汗から鉄分が失われるので多く摂取したい成分です。
健康の維持・増進を目的として、1日に摂取したい鉄分の量は、
・成人男性で7~7.5mg
・成人女性で10.5mg
と言われています(「日本人の食事摂取基準2015年」)。
アスリートの推奨摂取量は、20~25mgです。
食品名 | 目安量 | 鉄分(mg) |
---|---|---|
レバにら炒め | 1人前(豚レバー100g) | 13.7 |
焼鳥レバー | 2本(鶏レバー) | 7.2 |
ひじき煮物 | 1人前(干ひじき5g) | 4.5 |
アサリ佃煮 | 10g | 1.9 |
カツオ | 1人前(5切、100g) | 1.9 |
ほうれん草 | 1人前(80g) | 0.9 |
2-2-1.ヘム鉄とは
ヘム鉄とは、Fe2+とポルフェリンがキレート結合した錯体で動物性食品に多く含まれています。
例えば、レバー・赤身の肉・魚の血合いなど。通常、非ヘム鉄より吸収がよく胃腸にやさしいです。
2-2-2.非ヘム鉄とは
非ヘム鉄とは、Fe2+ 又は Fe3+の化合物です。(Fe3+のみの化合物ではないです)
植物性食品に多く含まれています。例えば、野菜・大豆・卵など。胃のPH、腸内環境などで吸収率が変わりますが、ビタミンC・たんぱく質と一緒にとることで吸収率がよくなります。やや胃腸に負担がかかります。
3.まとめ
不足するミネラルを食事から摂取するのは、かなり意識しないと難しいように思います。私は走り込み期にはサプリメントでこれらのミネラルを補うようにしています。