ミトコンドリアとは~ランニングを科学する㉔

こんにちは。関東方面では梅雨入りしているようですが、関西はまだ梅雨入りしていない変な状況ですね。ランナーにとっては梅雨の時期はモチベーションも下がりますので、梅雨は嫌な時期ですね。

さて、今回は身体の中、「筋肉関連」の話です。筋肉中の組織にはエネルギーをつくりだすいわゆる工場の役割をはたす「ミトコンドリア」、エネルギーを運ぶための道路である「毛細血管」があります。いづれもトレーニングで鍛えることができ、工場と道路が多くなることで走力向上につながります。筋肉の種類には、遅筋と速筋があり、遅筋にはたくさんの工場と道路があります。一方の速筋には工場も道路は少ないようですが、多くのエネルギー源(グリコーゲン)を蓄積することができます。速筋がエネルギーを作り出すときには乳酸が発生し、遅筋の中の工場(ミトコンドリア)がその乳酸を使ってエネルギーを出します。このサイクルが上手くいっている時にはスムーズなランニング状態にあり、このサイクルが崩れると、しんどくなって走れない状態になります(乳酸性作業閾値)。ちなみに、遅筋と速筋の割合については個人差があり、生まれながらに決まっており、その割合は後天的に変化しないようです。

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初心者のランナーさんが徐々に走行距離を伸ばしトレーニングすることで走力がアップするのは、遅筋の中の工場と道路が整備(活性化)されるからです。それでは、初心者を卒業したランナーは走力が向上しないのでしょうか?いえいえ、そんなことはありません。実は速筋の一部はトレーニングにより「遅筋化する」ようです。遅筋化とは速筋の中にミトコンドリアを増やすこと。そのためには、乳酸作業閾値以上の「高強度トレーニング」をしなければならないということになります。

まとめると、乳酸作業閾値以上の速筋を動員する高強度のトレーニングを行うことで速筋のミトコンドリアを増やすことができ、より高強度での持久的運動が可能になるということです。

高強度のトレーニングには、「インターバル走」、「坂ダッシュ」、「タバタトレーニング」があります。高強度のトレーニングは怪我のリスクも高くなりますのでくれぐれも気を付けてトレーニングをしてください。