ケトン体、MCTオイルで脂肪燃焼を実感!減量や持久力UP~ランニングを科学する㉙

tetsujin
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コンニチワ、tetsujinデス。今回は私が3か月間、試してきた「MCTオイル」のお話です。体質が変わり(ケトン体)脂肪燃焼効率も向上、体重も激減する不思議なオイルについて記載します。




1.糖質と脂質

人間の身体活動に使われるエネルギー源は主に糖質と脂質。高強度の運動ではエネルギーとして糖質が優先的に使われ、比較的負荷の軽めな運動では脂質が使われます。
体の中で蓄えている脂質の量はフルマラソンを20回ぐらい完走できるぐらいのエネルギーがあり、糖質はマラソンでの25~30㌔ぐらいのエネルギ-しかないのです。
マラソンでは糖質と脂質を上手に(ハイブリッド)で使わないと、糖質ばかり使用しているとエネルギーが枯渇することになり、いわゆる「30㌔の壁」にぶち当たるということになります。脂質を上手に使うため(「30㌔の壁」を克服する)にはトレーニングが必須となります。
糖の量は非常に限られているので、小出しに使っていかなくてはいけない。それには、もっと脂肪のエネルギーを利用しやすい体質(ケトン体体質)に変えていく必要があります。

2.MCT(中鎖脂肪酸)オイルで体質改善

脂質(油)を多めに食べることを続ければ、脂肪をエネルギー源として使おうと体が順応していきます。しかし、過剰に油を摂ればデメリットも出てきます(例えば「太る」、「血糖値が上がる」など)。
そこで、マラソンランナーには「MCTオイル」が有効です。「MCTオイル」とは、ココナッツオイルやパーム核油、牛乳や母乳にも含まれる成分である中鎖脂肪酸100%の食用油です。医療現場では未熟児や手術後の患者さんなどのエネルギー補給としてMCTオイルが使われてきたようです。
一般的なサラダ油などに含まれる長鎖脂肪酸(LCT)は、摂取すると全身に運ばれて吸収・貯蔵されますが、中鎖脂肪酸(MCT)は摂取後素早く消化吸収(LCTの4倍早く吸収)されて、すぐにエネルギーに変わり、脂肪を体内に溜め込まないという特長があります。
MCTは脂肪を蓄積しにくいだけでなく、筋肉中のミトコンドリアを増やす働きがあることがわかっています。ミトコンドリアは、いわば「脂肪燃焼工場」。継続的にMCTを摂取することでミトコンドリアが増えれば、脂肪を効率よくエネルギーとして使うことができるそうです。
脂質エネルギーが使える体質になれば、長時間の運動でも後半にエネルギー不足に陥ることがありません。「30㌔の壁」も感じないはず!持久系のスポーツにはMCTオイルの利用価値がありますね。




3.MCTオイルを3ヶ月間、使ってみた!

2019年11月末の失敗レース(福知山マラソン)以降、前述の体質改善のためにMCTオイルを実際に約3ヶ月間、使用してみました。その結果は…。

3-1.MCTオイルで体重がどんどん落ちていく

私は2016年からスマートフォンのアプリで体重を管理しています。MCTオイルを使用する前の体重が約52㎏でしたが、MCTオイルを使用し糖質制限することで下のグラフのようにどんどん体重が落ちていきました。今では48㎏代です。

マラソンランナーにとって体重は重要なファクター。「体重1㎏減量でフルマラソン3分間のタイム短縮になる」と言われています。糖質制限をしてその代わりにMCTオイルを使用することで理想の体重に近づけていくことが可能です。
私が行った糖質制限とは、まったく炭水化物(米類、小麦粉など)を摂取しないということではなく、糖質をいつもの半分くらいに減らすということです。



3-2.MCTオイル使用でレースではどうだった?30㌔の壁や失速は?

糖質制限を行い、MCTオイルを使用してから出場したレースは「2019加古川マラソン」と「2020別府大分毎日マラソン」の2レース(2月以降の大会は新型コロナ感染拡大の影響で中止、残念です)。

 

 

☝が加古川マラソンのペース、☟が別府大分毎日マラソンのペースです(時計をEPSONからGARMINに変更したのでグラフの比較ができにくくスミマセン)

2レースとも30㌔以降の大幅なペースダウンは無いと言えると思います。体内の脂質が上手に使えたレースだったようです。

ちなみに☟のグラフがMCTオイル使用前の失敗レースです。レース前半のペースは上記レースとほぼ一緒。30㌔以降は見事に撃沈していますね。




4.私のMCTオイルの摂取の仕方

MCTオイルを初めて使用した当初は、汁物(みそ汁、スープなど)に小さじ1杯(6g)を入れてみました。MCTオイルは無味無臭なので料理の味を邪魔しないので摂取しやすいです。いきなり大量に摂取するとお腹がゆるくなるようですのでご注意ください。
徐々にMCTオイルの量を増やし、糖質を減らしていきました。汁物だけでなく、納豆・ヨーグルト・サラダなどに使用します。糖質を減らしているので「お腹が空くのでは?」とお思いでしょうが、前述のとおり脂質が使える体質になるとほとんど空腹を感じません。お仕事中にはコーヒーにMCTオイルを入れて飲んでも美味しくいただけます。
2020.1月に「汁物+MCTオイル」だけで早朝より30㌔のLSD(箕面勝尾寺方面)を実施しましたがハンガーノック(空腹で動けない)状態にはなりませんでした。我ながら、これにはさすがにビックリしました。
体質改善に「MCTオイル」、是非おすすめします